井上あやさんの、中村綾緒さん展示の感想。

かしゃま文化会館にて開催中の、中村綾緒さんの投影を、やっとゆっくり見ることができました。

それは、ギャラリーの担当者として、いけないことなのかもしれないなと思いつつ（会期もう一週間も経ったのに見れていないことが）反面、ようやく、向き合える体制に自分がなったのだ、とも思った。

綾緒さんの投影は、過去にも何度か見ていますが、今回の投影がいちばん、自分にとって、すんなりこころに入ってきて、単純に「美しい」と思ったし、同時に「悲しい」とも思いました。

今年は、今まで放っておいたツケが全部きて、プライベートでも仕事でも、やりがいがある反面、余裕がなくて常にテンパっている状態でもあって、そんな人生のまさしくターニングポイントを迎えている今。

この投影を見ることができて、なんていうか、「世界はほんとは美しくて、人はほんとはやさしい」のだと、まるでドラマにでもでてきそうな台詞ではありますが、そう、こころから、思えたのです。

最終日31日は、日が暮れてから、かしゃまの外で、伊達さんが、もうワンサイズ大きなスクリーンと、雨が降っても大丈夫なように「ＤＡＲＴＥＮＴ」を新設してくださり、綾緒さんのDVD作品全部を流すという特別な『野外投影会』を開催します（今回の貨車内の投影は、「ｐｒａｙ」と「ｗａｔｅｒ」の１５分ほどの二枚組ＤＶＤです）。

※貨車内投影は無料ですが、最終日の『野外投影会』は、５００円かかります。それから、日が暮れると、笠間はかなり寒いので、暖かい服装でいらしてくださいね。よろしくお願いします。

美術館の展示って、入場料があるけれど、今回の中村さんの展示は、入場料を取ってもいいのではないかな、と思えるような展示です。

それは、わたしだけの意見かもしれませんが、わたしは、そう思いましたし、もちろん、かしゃまはカフェギャラリーですから、いつものように、気軽にふらっと乗車してくださればとも思います。





（ｔｅｘｔ＆ｐｈｏｔｏ　ｂｙ　井上　あや）